上石神井駅から徒歩5分の歯医者さん、大塚歯科です。
今回のテーマは「歯石やプラークの蓄積が引き起こす問題」です。歯石やプラークは除去しなければなりませんが、仮に放っておくとどうなってしまうのでしょうか。
歯石やプラークが溜まれば口の中は細菌だらけになりますが、そもそもその状態に危機感を持たない人も少なくありません。そこで、歯石やプラークが溜まると実際にどんな問題が起こるのかを説明していきます。
プラークは歯垢とも呼ばれ、歯の垢という文字から連想できるとおり細菌の塊です。正確には細菌の棲み処であり、プラークの中には億単位の細菌が含まれています。そして、虫歯や歯周病の原因菌もプラークの中に含まれているのです。
このためプラークを放置すれば、これらの原因菌が悪さをして虫歯や歯周病になります。また、プラークは時間が経つと唾液の成分と混ざって石灰化してしまい、歯石へと変化します。一旦歯石になってしまえば、歯磨きでは除去できなくなってしまいます。
歯石はプラークが石灰化したものですが、歯石ができることでその箇所に歯石が溜まりやすくなります。と言うのも、表面がザラザラした感触の歯石には細菌が付着しやすいからです。最も、歯石に含まれる細菌は死滅しているため、歯石が直接虫歯や歯周病を引き起こすわけではありません。
しかし、歯石はプラークが付着しやすい環境を作ってしまうため、いわば細菌が増殖しやすい場を提供してしまうのです。このため、歯石があることでやはり虫歯や歯周病になるリスクが高まるのです。
そもそも歯石の付着は見た目の印象を悪くさせてしまいます。歯石はプラークが石灰化した細菌の塊ですから、歯にそれが付着していると不潔に見えてしまいます。プラークは目に見えないですが、歯石の付着はハッキリと見えてしまうのです。
また歯石は口臭の原因になるため、相手に不快感を与えてしまいます。この場合の口臭は歯石が原因で起こっているわけですから、ガムやタブレットの一時的口臭の解消では全く効果がなく、歯石を除去しない限り口臭が続きます。
歯石はプラークが石灰化したものですから、プラークの時点で綺麗に除去すれば歯石が付着することはありません。とは言え、目に見えないプラークを完全に除去するのは難しいでしょう。
できるだけ多くのプラークを除去するためには歯磨きに精密さが求められ、そのためには次の方法を実践するのが効果的です。
歯科医院の定期検診や予防歯科ではブラッシング指導を受けられます。その人の歯並びに合った効率の良い歯の磨き方を覚えられるため、確実に歯磨きの精度が高まります。
ブラッシングだけの歯磨きでは、プラークの除去率は一般的に6割ほどとされています。その点、デンタルフロスや歯間ブラシを使用すればプラークの除去率がさらに2割高まります。
プラークテスターを使用すれば、磨き残したプラークを染色して目に見える状態にできます。このため確実に磨き残しをなくせますし、数日連続して使用すれば自分の歯磨きの弱点も分かります。
プラークが歯石に変化すると、歯磨きでいくら磨いても除去できなくなります。このため、歯石が付着していたら歯科医院に行って除去してもらいましょう。ちなみに、最近ではインターネットで歯石を除去できるグッズを目にします。
しかし自分で歯石を除去するのはおすすめできず、歯肉を傷つけてしまう危険性がありますし、そもそも全ての歯石を除去するのはまず不可能です。その点、歯科医院に行けば歯に付着した歯石を綺麗に除去できます。
いかがでしたか?
最後に、歯石やプラークの蓄積が引き起こす問題についてまとめます。
1. プラークを放置するとどうなるか :虫歯や歯周病になる、プラークが石灰化して歯石になる
2. 歯石を放置するとどうなるか :細菌が増殖しやすい環境ができてしまい、虫歯や歯周病になる
3. 歯石の付着は見た目の印象も悪くする :歯石が付着していることの不潔さ、口臭
4. 歯石の付着を防ぐには :精密な歯磨きを行い、プラークの時点でできるだけたくさん除去する
5. 歯石を除去するには :歯磨きでは除去できないため、歯科医院で除去してもらう
これら5つのことから、歯石やプラークの蓄積が引き起こす問題について分かります。プラークを放置すれば歯石になり、歯石を放置すれば虫歯や歯周病、さらには口臭の原因にもなります。最も、歯石がなくても虫歯や歯周病になる可能性はありますから、歯石の有無で虫歯や歯周病の有無を判断しないでください。精密な歯磨きでできるだけ歯石を防ぎ、歯石ができてしまった時には歯科医院で除去してもらいましょう。