患者 | 6歳男の子 |
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相談内容 | 「前歯が反対になっている、歯並びが心配」とのことでご来院されました。 |
カウンセリング | 診察したところ、骨格的に上顎の発育が悪く、将来的に重度の反対咬合(咬み合わせたときに、下の前歯が上の前歯よりも、前に出ている状態)が予想されました。 上顎の急速拡大を行うことで側方に拡大し、同時に前方牽引装置を使用して上顎骨の前方への成長を促すこととしました。 上顎骨の成長は5歳で80%が終了、10歳頃で終了してしまいます。そのため、反対咬合の治療は早期に行うことが非常に重要です。 |
治療内容 | 上顎に乳歯を固定源とした急速拡大装置(上顎の横幅を広げるための固定式の装置)を装着しました。就寝時には、上顎前方牽引装置(「受け口」や「反対咬合」の原因となる上顎骨の低成長の改善を目的として使用される装置)を装着してもらいました。 下顎はリンガルアーチ(針金を曲げて左右の奥歯に引っ掛け、歯の裏側に沿わせてアーチ状にして用いる歯科矯正器具)を装着し、奥歯の傾斜を改善しました。 |
治療期間 | 1年6か月 |
費用 | 45万円(税別) |
治療後 | 上顎骨は前方に成長し、反対咬合は改善しています。気道も広くなり、呼吸・睡眠も改善しました。 永久歯列になるまで経過観察を行っていきます。 |
リスク | ・治療中は発音しにくい場合があります。 ・矯正中、舌が動かしにくいことがあります。 ・治療中に装置によってまれに頬の内側が傷つき、口内炎になることがあります。 ・歯の移動に伴って違和感や痛みを感じる倍があります。 ・冷たいものを飲んだときに歯がしみる「知覚過敏」の症状が出ることがあります。 |