患者 | 10代女性 |
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相談内容 | 「前歯の隙間が気になるので治したい」とご相談いただきました。 |
カウンセリング | 拝見したところ、上の歯並びには歯と歯の間に隙間がある「空隙歯列弓」が認められました。とくに上前歯は、歯の間にやや広い隙間がある「正中離開」、いわゆる「すきっ歯」の状態です。
前歯の隙間は見た目に影響が出るだけでなく、歯の隙間に食べ物が詰まりやすいため、虫歯や歯茎に炎症が起こる「歯周病」のリスクが高まります。 さらに、口呼吸の癖や舌が正常の位置よりも低い位置にある「低位舌」の影響で、下の歯が内側に倒れ込んで幅が狭い歯並び「狭窄歯列弓」も見られたため、矯正治療で全体的な歯並びを治療する必要があると診断しました。 |
治療内容 | 正中離開のみの場合、歯科用プラスチックで隙間を埋める方法や、被せ物を装着する治療方法があります。 しかし、患者様は狭窄歯列弓も見られたため、上下の歯並びの幅を拡大したあとに、歯を正しい位置に整えて隙間をなくす矯正治療を提案し、同意いただきました。まず、上顎には定期的にネジを動かして徐々に歯列の幅を広げる「急速拡大装置」を使用し、狭窄歯列弓の改善を目指します。 次に、下顎には左右奥歯にはめ込んだ金属の輪っかにワイヤーを取り付けた「リンガルアーチ」を用いて、歯の傾きを治しながら幅を広げました。 その後、上下の歯の表面に「ブラケット」と呼ばれるボタン状の装置を装着し、そこにワイヤーを通して歯を動かす「マルチブラケット装置」を用いて歯並びを整えました。 歯の移動が終了したあとは、歯並びが元の位置に戻らないように固定する装置「ワイヤーリテーナー」を、上下前歯の裏側に装着していただいています。 |
治療期間 | 約1年3ヶ月 |
費用 | 約900,000円 (急速拡大装置、矯正治療) |
治療のリスクについて | ・治療中、発音しにくい場合があります ・治療中、舌が動かしにくいことがあります ・治療中、装置によってまれに頬の内側が傷つき、口内炎になる場合があります ・歯の移動に伴って、違和感や痛みを感じる場合があります ・冷たいものを飲んだときに歯がしみる「知覚過敏」の症状が出る場合があります ・正しいブラッシングやメンテナンスを行わない場合、虫歯や歯周病のリスクが高まります |