50代女性 保存が難しい歯を抜いてインプラントとブリッジで補い口腔内全体を治療した症例｜上石神井の歯医者なら｜大塚歯科

さらに、歯茎が下がって歯の根元が露出しており、黒く変色している部位もあります。

右下奥歯には、欠損している歯を補うために、前後の歯を土台として橋を渡すように人工歯を入れる「ブリッジ」が装着されていました。しかし、ブリッジを支えている右下奥歯（第2小臼歯）に大きな負担がかかり、歯の根が割れる「歯根破折」が生じているため、歯の温存が難しいと考えられます。

また、左下奥歯（第1大臼歯）は虫歯が深くまで進行しているため、こちらの歯も温存が難しい状態です。

このまま放置すると虫歯が進行して神経にまで達し、強い痛みが出るおそれがあるため、早急に治療する必要があると診断しました。

①歯根が折れた右下奥歯（第2小臼歯）を抜き、欠損部位と併せて顎の骨に2本の人工歯根を埋入して歯を補う「インプラント治療」を行う

②虫歯が進行した左下奥歯（第1大臼歯）を抜き、左下奥歯3本（第1小臼歯、第2小臼歯、第2大臼歯）を土台としてブリッジで修復する

③そのほかの部位は、経年劣化した被せ物と詰め物、再発した虫歯をすべて除去し、新しく作り直す
上左右前歯4本：自然な見た目が特徴の「セラミック」を用いた被せ物の中でも、とくに強度に優れた「ジルコニアセラミッククラウン」で修復する
上左右奥歯5本と下右奥歯2本：同じくセラミック素材の被せ物「セラミッククラウン」や、セラミック素材の詰め物「セラミックインレー」で修復する

まず、歯根が折れた右下奥歯を抜きます。検査の結果、インプラントを埋入するために必要な骨の量が不足していたことが判明したため、骨の量を増やす処置「骨移植」を行いました。
骨の再生が確認できてから、右下奥歯の欠損部分にインプラントを2本埋め込む一次手術を行いました。
二次手術では、歯茎を切開しインプラントの頭の部分を露出させ、治癒した時に被せ物の型どりができる状態になるように歯茎の形を整えて縫合します。

また、二次手術と同時に、口の中からとくに硬くて強い部分の歯肉を採取し、インプラント埋入部位に移植する手術「角化歯肉移植」を実施しました。
この処置を行うと、歯茎が硬くなって動きにくくなるため、歯ブラシの力がしっかり伝わって歯磨きがしやすくなったり、汚れが溜まりにくくなったりする効果が期待できます。

歯茎が治癒した後に、精密な型取りを行って被せ物を作製し、最終的な被せ物としてセラミックの人工歯をインプラントに装着しました。

続いて、虫歯が進行した左下奥歯（第1大臼歯）を抜いたところ、ブリッジの土台にする左下奥歯2本も虫歯が深く進行していたため、歯茎を下げて虫歯治療をしやすくする「歯周外科処置」を行いながら、虫歯を完全に除去しました。
また抜歯と併せて、歯周病や抜歯によって減少した骨の量を増やす処置「骨外科処置」も実施しています。

加えて、歯茎が薄い部分に自身の歯茎を移植する手術「歯肉移植術」を行いました。これは、歯茎の形を整えて厚みや高さを確保し、ブリッジをしっかりとフィットさせるための処置です。

歯茎が引き締まって状態が安定したことが確認できたら、精密な型取りを行い、耐久性に優れ自然な白さがある「セラミックブリッジ」を作製し、装着しました。

上左右前歯4本、上左右奥歯5本、下右奥歯2本は、劣化した被せ物と詰め物、再発した虫歯を除去してから、精密な型取りを行います。
その後、上左右前歯4本にはジルコニアセラミッククラウンを、上左右奥歯5本と下右奥歯2本にはセラミッククラウンとセラミックインレーを装着しました。

それぞれの被せ物や詰め物がしっかりとなじみ、噛み合わせや装着感に問題がないことを確認して、治療を終了しています。