50代女性 進行した虫歯を歯周外科手術と精密根管治療で治療した症例｜上石神井の歯医者なら｜大塚歯科

このまま治療を行うと被せ物と歯の境目が歯茎の中に埋もれてしまい、結果として細菌が侵入しやすい状態になり、虫歯や歯周病のリスクが高まってせっかくの治療が長持ちしないおそれがあります。

以上のことから、歯の境目を歯茎の上に出す処置を行ってから、虫歯を治療する必要があると診断しました。

この治療は歯周病の再発リスクを大幅に減らし、長期間安定した状態を保つことができる方法です。
その一方で、外科的な処置が必要になるため、治療期間が通常よりも長くなることも併せて説明し、治療に同意いただきました。

まずは歯周外科手術を行い、歯槽骨を必要な分だけ慎重に除去します。その後、健全な歯質が骨の縁から約3mm上に位置するよう精密に調整し、細菌の侵入を長期間防げる状態に整えました。

手術後は、歯茎と骨の状態が安定するまで経過観察を行い、十分に治癒したことが確認できたあと、顕微鏡を使用した「精密根管治療」を実施します。
精密根管治療とは、歯の神経が通っている根管という細い管の中を、顕微鏡で拡大しながら丁寧に清掃と消毒をする方法です。自費診療なのでやや費用がかかるものの、保険診療内の治療よりも精密で確実な処置が行えます。
感染源を丁寧に除去したあとは根管内を消毒し、薬剤でしっかりと封鎖しました。

続いて、歯の土台となるファイバー支台（ファイバーコア）を作製します。
ファイバーコアは金属の土台とは異なり、天然歯と似た柔軟性をもっているため、歯根が折れるリスクを軽減することが可能です。

土台が完成したあとは、被せ物を作製するための精密な型取りを行います。
被せ物（クラウン）の素材には、天然歯に近い透明感をもちながら、優れた耐久性を兼ね備えたジルコニアセラミックを採用しました。

最後に、完成したジルコニアセラミッククラウンを装着し、噛み合わせや見た目などに問題がないことを確認して、治療を終了しています。