上石神井駅から徒歩5分の歯医者さん、大塚歯科です。
今回のテーマは「歯周病で歯を失う理由」です。
日本人が歯を失う要因として最も多いのは歯周病です。
ですから、「歯を失う要因として最も多いのが歯周病というのは本当ですか?」の答えはイエスです。
問題はなぜそこまで歯周病で歯を失う人が多いのかということで、
それを知ることでみなさんの予防意識が高まれば幸いです。
歯周病になってもすぐに歯を失うことはなく、進行して重症化することで歯を失います。
これは虫歯も同様で、虫歯を放置して進行すればやがて歯はボロボロになって失います。
しかし虫歯で歯を失う人は少なく、これは虫歯をそこまで進行させる人が少ないからです。
虫歯の場合、痛みという自覚症状が起こることで虫歯に気づきます。
虫歯に気づくからこそ歯科医院に行き、そこで治療を受けることで虫歯は治ります。
では、仮に虫歯に痛みの自覚症状がなければどうなるでしょうか。
痛みがなければ虫歯に気づかず、虫歯に気づかなければ歯科医院にも行かないでしょう。
そうすれば虫歯は知らない間にどんどん進行し、歯を失うほどの状態になってしまいます。
実は歯周病にはこの例えと同じ特徴があり、だからこそ進行させて歯を失う人が多いのです。
歯周病には目立った自覚症状がなく、そのため「静かなる病気」とも呼ばれています。
虫歯の痛みのような自覚症状がないことは、一見歯周病のプラス要素に思えるかもしれません。
しかし痛みの自覚症状がないことで歯周病に気づきにくく、その分虫歯よりも進行するケースが多いのです。
とは言え、歯周病も自覚症状がゼロというわけではありません。
虫歯の痛みほど明確ではないものの次のような自覚症状があるため、
該当する項目がある人は歯周病の可能性を疑ってみるべきでしょう。
・自覚症状1. 歯肉が変色している
歯周病になると歯肉が炎症を起こすため、見た目が変色して触った感触も張りがなくなります。
・自覚症状2. 歯肉から出血する
歯周病になるとちょっとした刺激で歯肉から出血しやすくなり、例えば歯磨きの時などに出血が見られます。
・自覚症状3. 口臭がする
歯周病菌、歯肉からの出血、歯肉から出た膿みなどが原因できつい口臭がします。
・自覚症状1. 歯が長く見える
歯槽骨が溶かされることで歯肉が退縮し、歯肉が下がるため歯の根が露出して歯が長くなって見えます。
・自覚症状2. 熱いものや冷たいものがしみる
露出した歯の根は象牙質が剥き出しのため、熱さや冷たさが刺激となってしみたり痛んだりします。
・自覚症状1. 歯が動く
歯槽骨が溶かされて歯が支えを失っているため、不安定になって歯が動きます。
・自覚症状2. 噛み合わせると痛む
歯がグラついていることで、噛み合わせ時に痛みを感じます。
…重度段階の歯周病の自覚症状は分かりやすいものの、この時点で気づくようでは遅すぎます。
歯周病で歯を失わないためには遅くても中期段階、本来なら初期段階で発見して治療しなければなりません。
歯周病になっても、初期段階で発見して治療すれば歯を失うことはありません。
そして、実際にそれが難しいのは初期段階の歯周病には目立った自覚症状がないからで、
自覚症状がないことで歯周病に気づけず、その結果進行してしまうのです。
では、歯周病を初期段階で発見することは不可能なのでしょうか。
実は簡単に初期段階の歯周病を発見する方法があり、それは歯科医院で定期検診を受けることです。
定期検診では歯科医がお口の中の健康状態を確認するため、自覚症状の初期段階の歯周病も発見できます。
また、定期検診では歯のクリーニングやブラッシング指導を行うため、
歯周病を早期発見するだけでなく予防する効果もありますし、虫歯の早期発見と予防も同時に可能です。
とは言え1度の定期検診だけでは効果がないため、3ヶ月~6ヶ月に1度は受けるようにしましょう。
いかがでしたか?
最後に、歯周病で歯を失う理由についてまとめます。
1. 歯周病は進行しやすい :目立った自覚症状がないため、歯周病だと気づかず進行してしまう
2. 自覚症状の問題 :虫歯の痛みほど明確ではないが、歯周病にも自覚症状はある
3. 定期検診のすすめ :初期段階の歯周病を発見でき、さらに予防効果も高まる
これら3つのことから、歯周病で歯を失う理由について分かります。
歯周病で歯を失う人が多いのは歯周病を進行させてしまう人が多いからですが、
歯周病を進行させる人が多い理由を考えた時、真っ先に挙げられるのが自覚症状の問題です。
歯周病には虫歯のように目立った自覚症状がなく、そのため自分が歯周病だと気づきにくいのです。
気づかないからこそ歯科医院に行こうとも思わず、その結果歯周病が進行してしまうのです。
そうならないためには、歯科医院で検診を受けて定期的にお口の健康状態をチェックしてもらうことです。