80代男性脱落した奥歯のブリッジを抜歯即時インプラントでしっかり噛めるようにした症例

患者	80代男性
相談内容	「右上のブリッジが折れ、食べ物がうまく噛めない。入れ歯は使わずにしっかり噛めるようにしたい」とご相談いただきました。
カウンセリング	拝見したところ、右上の奥歯（第1大臼歯／6番）が欠損しており、前後の歯（第2小臼歯／5番、第2大臼歯／7番）を利用して橋渡しのように被せ物を入れる「ブリッジ」で補われていたものの、破損し外れていました。また、ブリッジを支えていた奥側の歯（第2大臼歯）がグラグラと揺れており、これは歯の周りの組織が細菌に感染し炎症が起きる「歯周病」の影響を受け、歯を支えていた骨が溶けたものと考えられます。さらに手前側の歯（第2小臼歯）は歯の根が割れていたため、ブリッジを再び使用することは難しく、どちらの歯も抜歯してしっかりと噛めるよう別の方法で歯を補う必要があると診断しました。
治療内容	診断結果を丁寧に説明した上で、患者様にはまず状態の悪い右上の奥歯2本を抜歯することに同意いただき、入れ歯以外で歯を補う方法として抜歯した部分に人工歯根をあごの骨に埋め、その上に歯を装着する「インプラント治療」をご提案しました。インプラントの特徴として天然歯のような自然な噛み心地が期待できることもあり、今回は2本のインプラントを土台にして3本分の歯を装着する「インプラントブリッジ」をおすすめし、ご了承いただきました。ただ、ご高齢の患者様のため身体の負担を軽減しつつ、なるべく短期間で治療を終える必要があります。そこで今回は、外科処置の回数が1回で済み抜歯と同時にインプラントを埋める「抜歯即時インプラント治療」を行うため、あごの骨の高さや幅が十分に確保されているか検査をしたところ、抜歯即時インプラント治療が可能だったことから患者様にご説明し、同意いただきました。手術当日はまず、右上奥歯2本を抜歯した直後に歯茎を切開することなくインプラントを埋入しました。また、インプラントをしっかりと支えられるよう骨を再生させるための「骨補填剤」を歯茎とインプラントのすき間に入れています。手術から3ヶ月後、インプラントがあごの骨にしっかりと定着しているのを確認してから、インプラントブリッジの型取りを行いました。インプラントブリッジの種類には、美しい白さで耐久性に優れた「セラミックブリッジ」を選択し、後日、完成したセラミックブリッジを装着して治療を終了しました。
治療期間	約4ヶ月
費用	約1,000,000円【内訳】インプラント2本セラミックブリッジ
治療後	インプラントによる腫れや痛みもなく経過は順調です。見た目も周囲の歯になじみ自然な白さで大変美しくなりました。患者様からは「治療したところが痛くなくて驚いた。治療をはじめてから約4ヶ月で、歯がきれいになってとても満足している」とお喜びいただけました。良好な状態を維持するため、現在も定期的なメンテナンスでご通院いただいています。
治療のリスクについて	・外科手術のため、術後に痛みや腫れ、違和感を伴います・メンテナンスを怠ったり、喫煙したりすると、お口の中に大きな悪影響を及ぼし、インプラント周囲炎等にかかる可能性があります・糖尿病、肝硬変、心臓病などの持病をお持ちの場合、インプラント治療ができない可能性があります・高血圧、貧血・不整脈などの持病をお持ちの場合、インプラント治療後に治癒不全を招く可能性があります・自費診療（保険適用外治療）です
クリニックより	当院では患者様のニーズに合わせた様々な治療を提供しています。抜歯即時インプラント治療は短期間低侵襲で治療を終えることができる方法です。高い技術力が必要となる治療方法ですが、当院は多くの症例実績がありますので、インプラント治療でお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。