50代男性 適合していない詰め物や被せ物を除去してセラミックで修復した症例｜上石神井の歯医者なら｜大塚歯科

このまま放置すると、虫歯が神経にまで達したり、最終的には歯を失ったりするおそれもあるため、早急に治療する必要があると診断しました。

上の親知らずは位置的に歯ブラシが届きにくく、治療をしても虫歯が再発するリスクが高いこと、噛み合う「対合歯」がなく歯並びや噛み合わせに影響する可能性があることから、抜歯の処置が望ましいと考えられます。

さらに下の歯の内側にある歯茎は、骨が過剰に発育した「骨隆起（歯槽隆起）」によってボコボコと膨らんでおり、歯磨きがしにくくなっていました。患者様は「メンテナンスをしやすくしてほしい」と希望されているため、歯磨きをしやすくするには骨隆起を削る治療が必要です。

①適合不良の詰め物や被せ物
虫歯の再発を防止するため、顕微鏡を使用して虫歯を除去し、隙間なくぴったりと合った詰め物や被せ物で修復します。
詰め物や被せ物の素材には、天然歯のような自然な見た目を再現でき、汚れが付着しにくい「セラミック」をおすすめし、詰め物には色味が自然なガラス系セラミック「e.max」を、被せ物には強度がある「ジルコニア」を選択しました。

②上左右の親知らず
歯ブラシが届きにくく虫歯のリスクが高いこと、対合歯がないことなどから、抜歯が適切だと判断しました。親知らずを抜くことで、メンテナンスもしやすくなります。

③骨隆起
突出している骨隆起を取り除く「骨隆起除去術」を行ってボコボコとした歯茎を改善することで、歯の裏側の歯磨きがしやすくなります。

①〜③の治療内容について丁寧に説明し、同意いただきました。

まず、歯に適合していない詰め物と被せ物を全て外し、顕微鏡を使用しながら取り残しがないように虫歯を除去します。

次に、詰め物や被せ物を作製するため、歯の周りに巻く糸「圧排糸」で歯茎をわずかに押し広げる「歯肉圧排法」を用いて、丁寧に歯の形を整えました。
歯肉圧排法を行うことで歯と歯茎の境目がわかりやすくなり、歯にぴったりと合った被せ物を作製することが可能です。

その後、細部まで正確に再現できる「シリコーン印象材」を用いて精密な型取りを行いました。
後日、完成した詰め物と被せ物を装着し、歯にぴったりと合っていることを確認しています。

上左右の親知らず計2本は、痛みを感じにくくするための麻酔を行い、慎重に抜きました。

骨隆起除去術では、超音波器具を用いて慎重に切除を行いました。
超音波器具は、従来の回転器具と比べると以下の点に優れています。
・軟組織を傷つけにくい
・骨へのダメージが少ない
・最小限の骨を正確に削ることができる

全ての治療が完了し、口腔内に問題がないことを確認して、治療を終了しました。