患者 | 10歳男の子 |
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相談内容 | 「右上犬歯は生えてきたが、左上犬歯がなかなか生えてこない」とご相談いただきました。 |
カウンセリング | パノラマ撮影をして拝見したところ、左上前歯(犬歯)が顎の骨の中に埋まっている骨性埋伏(こっせいまいふく)の状態です。
さらにCT撮影で詳しく検査したところ、左上前歯はかなり上の方、鼻の空間である鼻腔に近い位置に埋まっていました。 以上のことから、永久歯を外に出して歯並びを整える必要があると診断しました。 |
治療内容 |
患者様の場合、「開窓牽引」をすることで、埋まっている永久歯を通常の歯並びの中に並べることができます。 開窓牽引とは、歯茎を切開して歯を露出(開窓)させてから、歯を引っ張る(牽引)方法です。 加えて、歯並びをしっかりと整えるために、歯がある程度露出した段階で隣の歯の表面にボタン状の装置であるブラケットを装着し、そこにワイヤーを通して歯並びを整える矯正治療を併せて提案しました。 治療のメリット 治療のデメリット メリットとデメリットを丁寧にお伝えしたところ、治療に同意いただきました。 まず、歯の裏側に取り付ける固定式の矯正装置であるリンガルアーチを上顎に装着します。 次に、小さなゴムが連結してできている牽引用のパワーチェーンを用いて、牽引を開始します。 ある程度歯が生えてきた段階で隣の歯にブラケットを装着し、ワイヤーを用いて歯並びを整え、治療を終了しています。 |
治療期間 | 約1年 |
費用 | 約300,000円 |
治療のリスクについて | ・治療中、発音しにくい場合があります ・治療中、舌が動かしにくいことがあります ・治療中、装置によってまれに頬の内側が傷つき、口内炎になる場合があります ・冷たいものを飲んだときに歯がしみる「知覚過敏」の症状が出る場合があります ・正しいブラッシングやメンテナンスを行わない場合、虫歯や歯周病のリスクが高まります ・外科処置後に痛みが長引く場合があります。必要に応じ痛み止めを併用します |