上石神井駅から徒歩5分の歯医者さん、大塚歯科です。
今回のテーマは「子どもの顎を広げる矯正治療について」です。
お子さんの歯並びを気にされている親御さんの中には、「顎を広げる矯正治療」という言葉を耳にしたことがある方もいるかもしれません。
矯正治療は大人になってから始めることもできますが、成長期の子どもだからこそできる「顎を広げる矯正治療」には多くのメリットがあります。
お子さんの歯並びでお悩みの方はぜひ参考にしてください。
子どもの顎を広げる矯正治療を「顎顔面矯正(がくがんめんきょうせい)」といいます。
顎顔面矯正は、専用の装置を用いて顎の成長をコントロールし、発育を促す治療法です。
顎を広げることで、乳歯よりも大きい永久歯がきれいに生え揃うためのスペースを確保します。
顎を広げる矯正治療は直接歯並びを整えるものではありませんが、永久歯がきれいに生えるための土台づくりといえます。
「顎を広げる=顔が大きくなる」と心配になる方もいるかもしれませんが、歯の生える位置が変わるだけで顔が大きくなるわけではないのでご安心ください。
上顎の成長のピークは5歳で、9〜10歳には成長が完了します。
そのため、顎を広げる矯正治療は5〜7歳ごろにはスタートすることが望ましいです。
顎を広げる矯正治療は開始時期が早ければ早いほど、治療の効果を得ることができます。
お子さんによってはすぐにでも治療を開始したほうが良い場合もあるので、お子さんの歯並びが気になる方はできるだけ早く矯正相談されることをおすすめします。
顎を広げる矯正治療は子どもの成長期を利用して顎や骨格を整えるため、永久歯が生えてくるスペースを確保することができます。
そのままの歯列だと永久歯が並びきらない場合でも、顎が広がれば永久歯がきれいなアーチ状に並ぶ可能性は高くなります。
また、顎を広げる矯正治療だけでは歯並びがきれいに生え揃わず、ワイヤーやマウスピースを用いた矯正治療に移行する場合もあります。
その際も顎を広げる矯正治療をしたことで歯が並ぶスペースがあれば、歯の向きを少しだけ整える微調整だけで済んだり、治療期間が短くなるといったメリットもあります。
顎の発達が完了してから行う矯正治療は、骨や骨格が完成しているため抜歯が必要になることがあります。
また、骨格の異常が原因で歯並びが悪く、矯正治療で根本的に改善する場合、顎の骨を切る外科手術が必要になるケースもあります。
成長期に顎を広げる矯正治療をしておくことで、大人になってから歯並びを整えたいと思った時にも抜歯や手術をせず矯正治療を開始できる可能性が高くなります。
顎が小さいと鼻腔や気道が狭くなり、口呼吸になりやすい傾向があります。口呼吸は風邪やぜんそく、いびきなどの原因となり、感染症にかかるリスクも高くなります。
しかし、顎を広げる矯正治療を行うと、狭くなっていた鼻腔や気道が広がり、本来の正しい呼吸法である鼻呼吸がしやすくなります。
また、口呼吸を改善することで虫歯になりにくくなる、口臭を防げるといったメリットもあります。
顎を広げる矯正治療をすることは永久歯がきれいに生えるための土台作りをするだけでなく、全身の健康にもつながるといえるでしょう。
顎の拡大に伴い、押されているような圧迫感から痛みや違和感を感じることがあります。また、装置を入れることで異物感を感じたり、喋りにくくなることもあります。
初めは不快に感じると思いますが、ほとんどのお子さんが数日のうちに慣れていくでしょう。
装置を装着すると、歯と装置の間に汚れが付着しやすく、虫歯や歯肉炎のリスクが高くなります。できるだけ汚れを停滞させないためには、親御さんの仕上げ磨きが必要不可欠です。
また、定期的に歯科医院でメンテナンスを受け、虫歯のチェックや歯のクリーニングをしてもらいましょう。
顎を広げる矯正治療は保険適用外になるため、費用が高額になります。また、月々の装置の調整費用も発生します。費用は歯科医院によって異なるため、カウンセリングの際に費用や支払い方法について確認しておくとよいでしょう。
いかがでしたか。顎を広げる矯正治療はいつでもできるものではなく、成長期の子どもだからこそ行うことができる治療法です。
子どもは歯の生え変わりや成長スピードに個人差があります。そのため、それぞれのお子さんにとって最適な治療開始時期を逃さないことが重要であり、適切な治療方法を選択していく必要があります。
お子さんの歯並びでお悩みの方は、お気軽に当院にご相談ください。